2013年6月25日火曜日

横尾忠則のすごさ

正直、横尾忠則は今までよくわからなかった。
「昔の人はずいぶん古くさいデザインをしてるなー」
が初めて作品を見たときの感想だった。
アンチモダニズムの意味すら知る由もない、
なんとも表層的な見方かもしれないけど、
リアルタイムで全盛期を見る事ができなかった世代の僕としては、
これが素直な感想だった。

なにせ、横尾忠則の作品に出会う場所はいつも作品集や本の中だ。
たしか高校の時は美術の教科書にも載っていたと思う。
常に作品を、単体の点としてしか見ることのできない状況だったので、
あの作風を単なる様式美くらいにしか捉えていなかったんだと思う。

けれど先日、本屋で装丁集を見つけて、
何気なくペラペラとページをめくって眺めていると、妙におもしろく感じた。
装丁という括りで見てみると、今までとはまるで違った見え方だった。
普段の自分の制作感覚に近い、流行通信や雑誌ものをみていくとなおさらで、
ようは、横尾忠則のアンチモダニズムの矛先にある当時のモダニズムや、
装丁の基本をただ僕が知らなかっただけ。と言うことだったんだ。

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